災害・事故 公開日 更新日

子どもが火災に遭ったときの避難行動を家庭で練習する方法

子どもが火災に気づいたときの知らせ方、避難、119番を、年齢や住まいに合わせて家庭で練習。火を消す役目を子どもに負わせず、安全に逃げる準備をします。

子どもが火災に気づいたとき、火を消すことより先に必要なのは、周りに知らせて安全な場所へ逃げることです。家の中のどこから外へ出るか、外へ出た後にどこで待つか、誰に知らせるかを、住まいと子どもの年齢に合わせて短く練習しておきましょう。

この記事の目次
  1. 子どもが火災に気づいたら、知らせて逃げる
  2. 家の出口と避難後の集合場所を決める
  3. 煙や出口の状況を見て、安全な行き先を選ぶ
  4. 外へ出たら119番と大人への連絡をする
  5. 怖がらせずに、家庭で短く練習する
  6. 家庭で確認する手順
  7. よくある質問

子どもが火災に気づいたら、知らせて逃げる

火災警報器が鳴る、焦げたにおいがする、火や煙が見えるといったとき、子どもに原因を確かめに行かせないでください。まず近くの大人に「火事かもしれない」と知らせ、火や煙から離れる出口へ向かいます。大人が近くにいないときも、消火器を探したり、火元の部屋を開けて確認したりせず、外へ出る行動を優先します。

消防庁は、火災時の避難ルートを日頃から確認し、煙が部屋や廊下に広がった場合は口と鼻を覆い、姿勢を低くして避難するよう案内しています。ハンカチやタオルがすぐ手にあれば使いますが、探すために立ち止まったり、取りに戻ったりしないことを伝えましょう。煙がある場所では視界が悪く、息苦しさも起きるため、無理に通り抜けず、別の出口や安全な場所から助けを求めます。

子どもに覚えてもらう言葉は、短く具体的にします。「火事だ」と声を出す、「近くの出口から外へ出る」、「外に出たら決めた場所で大人を待つ」。この順番を、家族で実際の部屋や廊下を歩きながら確かめてください。

火災に気づいたら、知らせる・逃げる・戻らない

家の出口と避難後の集合場所を決める

避難経路は、家の間取りや火災が起きた場所で変わります。普段使う玄関だけでなく、そこが煙や火で通れない場合に使える別の出口があるかを、大人が確認します。窓から出ることを想定する場合は、子どもだけで開けにくい窓や、転落の危険がある窓を避難口として教えないようにします。安全に地上へ出られる経路か、消防設備や建物の案内も含めて確認してください。

戸建てでは、寝室から玄関までの道に物が置かれていないか、夜でも出口まで移動できるかを確かめます。集合住宅では、共用廊下・階段・避難器具の位置や使い方を建物の管理者の案内で確認し、エレベーターを避難に使わない約束をします。避難器具を子どもだけで操作する練習はせず、実際の訓練や操作は管理者・消防の説明に従いましょう。

外へ出た後に家族が集まる場所は、建物から少し離れた安全な場所に設定します。住所や建物名、近所の目印も子どもが伝えられるようにしておくと、119番や近くの大人への説明に役立ちます。いったん外へ出たら、靴やスマートフォン、ペット、きょうだいを取りに戻らないことも、落ち着いた声で繰り返し伝えてください。

住まいに合わせて家族で見る場所

横にスクロールできます

住まい・状況大人が確認すること子どもと練習すること
戸建て寝室から出口までの経路、夜間の足元、出口をふさぐ物火元と反対側の安全な出口、外の集合場所
集合住宅建物の避難経路、階段や避難設備、管理者の案内エレベーターを使わず、案内された階段で避難すること
子どもが留守番中連絡先、近所で助けを求められる人・場所、玄関の鍵火や煙があれば外へ出て近くの大人へ知らせること
きょうだい・介助が必要な家族がいる誰が支援するか、避難に使う道具、近隣の協力先子どもだけに家族の救助を任せず、大人を呼ぶこと

避難経路や設備の使い方は建物ごとに異なります。管理会社・管理組合・自治体・消防の案内を優先してください。

災害・事故 ・ 10分 子どもの災害・事故対策|家庭で備える基本と緊急時の行動 火災以外の災害も含め、家庭での備えや避難の確認方法をまとめています。

煙や出口の状況を見て、安全な行き先を選ぶ

煙がない出口を使えるなら、そこから外へ出ます。煙が廊下や階段に広がっている場合は、煙の中へ進まず、別の出口を探して大人や消防に助けを求めます。窓やベランダに避難した場合も、飛び降りたり、隣の部屋へ渡ったりせず、声や電話で場所を知らせてください。建物の中でどう動くかは、火災の場所や建物の構造によって異なるため、日頃の避難訓練や管理者の説明に沿います。

子どもが煙の中で方向を見失った場合に備えて、姿勢を低くする、口と鼻を覆う、壁づたいに出口を探すといった動きを、無理のない範囲で練習します。ただし、これらは煙の中にとどまるための方法ではありません。咳が出る、息苦しい、出口が分からないなど、少しでも危険を感じたら、通り抜けようとせず、扉を閉めて煙を避けられる場所から助けを呼びます。

近くに乳幼児、障害や病気がある家族、ペットがいる家庭は、誰が支援するかを大人同士で決めておきます。子どもに幼いきょうだいの抱っこや、家族の救助を任せないでください。支援が必要な家族の避難を子どもが一人で行えないことは、子どもの責任ではありません。大人の役割、近所の協力先、必要な補助具の置き場所を家庭で確認します。

外へ出たら119番と大人への連絡をする

安全な場所まで避難してから、近くの大人に火災を知らせ、119番通報を頼みます。子どもが一人で通報できる年齢や状況なら、住所、建物名、何が燃えているか、取り残された人がいるかを、指令員に聞かれた順に伝えます。消防庁によると、119番ではまず消防車が向かう住所や通報者の名前・連絡先などを確認します。住所が分からない場合は、近くの大きな建物や交差点など目印を伝えます。

通報中に怖くなったり、質問が分からなくなったりしたら、電話を切らずに「子どもです」「住所が分かりません」と伝え、指令員の質問に答えます。子どもが通報をためらわないよう、家の住所や目印を保護者と一緒に確認しておきましょう。通信がつながらない場合は、近くの人や店に通報を頼みます。通報するために、火や煙の近くへ戻ってはいけません。

避難後は、消防や建物の管理者から安全の確認があるまで、家や建物へ戻りません。持ち物や大切な物が中に残っていても取りに行かず、家族が見当たらないときは消防隊や警察、避難場所の担当者に伝えます。けがや煙を吸った可能性があるときも、近くの大人に知らせて救急の判断を頼んでください。

怖がらせずに、家庭で短く練習する

練習は、火災映像を見せたり、大きな警報音を突然鳴らしたりしなくてもできます。日中に出口まで歩き、「火事だ」と声を出す、出口を選ぶ、外の集合場所まで移動する、という一連の動きを落ち着いて試します。小さな子には一度に多くを教えず、「火を見たら大人を呼ぶ」「煙があったら近づかない」「外に出たら戻らない」など、短い約束を繰り返します。

年齢や発達、障害、感覚の特性によって、警報音への反応や避難の仕方は異なります。音が苦手な子には事前に音を説明して小さく聞く、言葉での理解が難しい子には絵や写真で出口の順番を示す、移動に支援が必要な子には介助者と補助具を含めた手順を決めるなど、その子が理解しやすく実行しやすい形に調整しましょう。必要に応じて学校、施設、消防や自治体にも相談します。

練習の後は、できなかったことを責めるのではなく、出口が分かりにくかった、夜は足元が暗かった、集合場所が遠かったなど、環境や約束を見直します。家具の配置、家族構成、通学先、住まいが変わったときにも、避難経路と連絡先を更新してください。

  • 家の中の出口と、使えないときの別の経路を大人が確認した
  • 集合住宅では、建物の避難案内や訓練内容を確認した
  • 外に出た後の集合場所と、近くで助けを求める相手を決めた
  • 住所・建物名・目印を子どもが伝える方法を確認した
  • 火元や家族を探しに戻らないことを、短い言葉で共有した
  • 子どもの年齢、特性、支援の必要に合わせて練習方法を調整した
災害・事故 ・ 9分 子どもがいる家庭の防災持ち出し袋チェックリスト 避難後に必要な子どもの持ち物や家庭ごとの備えを確認できます。

家庭で確認する手順

  1. 01
    家の間取りと建物の案内を見て、出口と代わりの避難経路を大人が確認する
  2. 02
    火や煙に気づいたら知らせて逃げ、外で待つ場所を親子で決める
  3. 03
    住所・建物名・近くの目印を子どもと確認し、必要なら119番の伝え方を練習する
  4. 04
    昼間に実際の経路を歩き、家族構成や住まいが変わったら手順を見直す

よくある質問

子どもが火災に気づいたら、最初に何をさせればよいですか?
火や煙の近くへ行かず、近くの大人に知らせて安全な出口から避難することを伝えます。大人がいない場合も消火や火元の確認はせず、外へ出て近くの大人に助けを求めます。
煙があるときは、タオルを取りに行かせた方がよいですか?
タオルを探すために立ち止まったり戻ったりさせないでください。すぐ手元にある場合は口と鼻を覆い、姿勢を低くして避難する方法が消防庁から案内されています。煙が濃い場所へ無理に進まず、別の出口や安全な場所から助けを求めます。
子どもに消火器の使い方も練習させるべきですか?
この練習では、子どもに消火を任せず、知らせて逃げる行動を優先します。消火器の操作訓練を行う場合は、消防や施設の指導を受ける大人の管理下で、安全な訓練用器具を使ってください。実際の火災では、子どもは火元へ近づかず避難します。
集合住宅では、火災時にエレベーターを使えますか?
火災時の避難にエレベーターを使わず、建物の避難案内や管理者・消防の指示に従う約束をします。階段や避難設備の位置と使い方は建物ごとに異なるため、日頃から管理者の案内や訓練で確認してください。
避難するときに、きょうだいやペットを連れて行かせてもよいですか?
子どもに幼いきょうだいやペットの救助を任せないでください。大人が誰を支援するかを決め、子どもには自分の避難と大人を呼ぶ行動を伝えます。外へ出た後も、捜しに戻らず消防や近くの大人へ知らせます。
参考資料・出典

この記事を書いた人

こども安全ナビ編集部

子どもの小学校入学をきっかけに、防犯や事故防止について調べるようになりました。

「こども安全ナビ」では、警察や自治体、公的機関などが公開している情報をもとに、子どもの安全について保護者目線で分かりやすく紹介しています。

子どもを必要以上に怖がらせず、親も不安になりすぎない。

家庭で無理なく続けられる安全対策を考えていきます。

運営者情報・編集方針
☷ ⌃