散歩中や公園で犬に出会ったとき、子どもが咬まれる事故を防ぐ安全ルール。飼い主への確認、手を出してはいけない場面、犬が寄ってきたときの立ち止まり方、咬まれたときの応急処置を詳しくまとめました。
「散歩中のワンちゃんに子どもが急に駆け寄って触ろうとして、ヒヤッとしたことはありませんか?」動物が大好きな子どもほど、悪気なく急に手を出してしまいがちですよね。しかし、驚いた犬が身を守るために反射的に噛みついてしまう事故は少なくありません。大切なのは、触る前に必ず飼い主に許可を取ることと、犬を刺激しない接し方を教えておくことです。家庭でできる約束を一緒に見ていきましょう。
この記事の目次
触る前の絶対ルール「飼い主に一声かける」
どんなにおとなしそうに見える小型犬でも、見知らぬ子どもに急に手を伸ばされると、恐怖や自己防衛から反射的に噛みついてしまうことがあります。
「ワンちゃん可愛い!」と思っても、いきなり手を出したり後ろから抱きついたりするのは絶対にやめさせましょう。まずは立ち止まり、飼い主さんに向かって「触ってもいいですか?」と確認する習慣を徹底します。
飼い主さんが「今は怖がっているからダメだよ」「触らないでね」と言ったら、無理に近づかず「バイバイ」と手を振って離れるよう教えましょう。飼い主がそばにいない犬には絶対に近づいてはいけません。
犬を触る前に必ず飼い主に許可を取る。断られたら無理に近づかない
絶対に手を出してはいけない「5つの危険な場面」
犬の習性として、自分のテリトリーや大切なものを守ろうと攻撃的になりやすいタイミングがあります。
ごはんやおやつを食べているとき、おもちゃをくわえているとき、眠っているとき、お店の前に一人で繋がれているとき、赤ちゃん犬と一緒にいる母犬の近くは、絶対に近づいてはいけません。
また、リードがついていない犬や、飼い主の姿が見当たらない放し飼いの犬を見かけたときは、興味本位で近づかず、大人のそばへ静かに移動しましょう。
犬が向かってきたら「木のように静かに止まる」
犬が急に走って近づいてきたり吠えられたりしたとき、子どもが一番やってしまいがちなのが「キャーと叫んで走って逃げる」ことです。
走って逃げると、犬の狩猟本能を強く刺激して追いかけられ、背後から飛びつかれたり押し倒されたりする危険が跳ね上がります。
「犬が来たら、大声を出さず、走らず、木のようにピタッと止まる」ことを教えましょう。両手を胸の前で組み、犬の目をじっと見つめず(敵対のサインになるため)、視線を少し横にそらして犬が立ち去るのを静かに待ちます。
犬のボディランゲージと子どもの接し方一覧表
犬のしぐさや表情から気持ちを読み解き、安全に接するための目安表です。
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| 犬の様子・しぐさ | 犬の気持ち | 子どもの安全行動 |
|---|---|---|
| 尻尾を振って体をリラックスさせている | 嬉しい・友好的 | 飼い主に確認してから優しく撫でる |
| 体を硬くし、耳を後ろに倒して目を細めている | 恐怖・警戒 | 近づかず、そっと距離を取る |
| 唸り声を上げ、歯をむき出しにして睨んでいる | 強い威嚇・攻撃直前 | 目を合わせず「木のように止まる」 |
| リードに繋がれ、飼い主の姿が見えない | 不安・縄張り意識 | 絶対に近づかず通り過ぎる |
犬が尻尾を振っていても、興奮や緊張で振っている場合があるため、必ず飼い主の許可を取りましょう。
正しい触り方:手の甲の匂いを嗅がせてから背中を撫でる
飼い主さんから触ってよいと許可をもらったら、急に頭の上から手を出してはいけません。上から覆いかぶさるような手は、犬にとって攻撃と認識されやすいからです。
まず、握りこぶしや手の甲を犬の鼻先(少し下)へゆっくり差し出し、クンクンと匂いを嗅がせます。犬が自分を受け入れて落ち着いたのを確認してから、首の下(あごの下)や背中を優しく撫でてあげましょう。
目をじっと覗き込んだり、大きな声を出したり、急に抱きついたりするのは避け、静かに優しく接するのがマナーです。
頭の上から手を出さない。手の甲の匂いを嗅がせてから、首の下や背中を優しく撫でる
万が一咬まれた・引っかかれたときの緊急応急処置
万が一犬に噛まれたり引っかかれたりした場合は、傷口が小さく見えても、直ちに水道の流水で5分以上しっかりと洗い流してください。
犬の口内にはパスツレラ菌やカプノサイトファーガなどの雑菌が多く常在しており、傷口から細菌感染を起こして化膿したり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす恐れがあります。
家庭での消毒だけで済ませず、必ず当日のうちに皮膚科、形成外科、または小児科・外科を受診しましょう。また、飼い主から狂犬病予防注射の接種状況を確認し、氏名と連絡先を控えておくことも大切です。
- 犬に触る前に飼い主に「触ってもいいですか?」と聞く約束をした
- 寝ている犬や食事中の犬には絶対に近づかないと伝えた
- 犬が近づいてきたら走らず「木のように止まる」練習をした
- 頭の上からではなく手の甲の匂いを嗅がせてから触る方法を教えた
- 咬まれたらすぐに流水で5分以上洗い、病院を受診する手順を確認した
家庭で確認する手順
- 01犬を見かけても勝手に触らず、飼い主へ確認するルールを子どもと約束する
- 02食事中や睡眠中、繋がれている犬など近づいてはいけない場面を教える
- 03犬が寄ってきたときに走って逃げず「木のように止まる」姿勢を練習する
- 04許可を得た場合の正しい撫で方(手の甲で匂いを嗅がせてから背中を撫でる)を伝える
- 05咬傷事故が起きた場合の応急処置(流水洗浄と医療機関受診)を確認しておく
よくある質問
- 小型犬なら噛まれても大した怪我にはなりませんか?
- 小型犬でも歯は非常に鋭く、子どもの柔らかい皮膚を深く傷つけることがあります。また、細菌感染(パスツレラ症など)を引き起こす恐れもあるため、犬のサイズに関わらず噛まれたら必ず医療機関を受診してください。
- 子どもが極端に犬を怖がる場合、どう克服させればいいですか?
- 無理に触らせようとせず、遠くから見守るだけにしましょう。「近づかなければ何もしないよ」と安心させ、子どものペースを尊重することが大切です。
- 噛まれた相手の飼い主には何を確認すればよいですか?
- 飼い主の氏名・電話番号・住所と、犬の狂犬病予防注射の接種歴を必ず確認してください。自治体の保健所への事故届出が必要になる場合もあります。
- 公園でノーリード(放し飼い)の犬を見かけたらどうすればいいですか?
- 多くの自治体の条例で公共の場所でのノーリードは禁止されています。子どもを近づかせず、静かにその場を離れましょう。危険を感じる場合は自治体の動物愛護センターや公園管理課へ相談してください。