事業内容・実績の詳細
太子堂地区防犯まちづくり報告会の開催報告
子ども安全まちづくりパートナーズは、研究活動の一環として東京都世田谷区太子堂地区の7つの町会、太子堂小中学校PTA、身近なまちづくり推進協議会に対して、防犯まちづくり活動に関する聞き取り調査を行ってきました。
そのヒアリング結果を報告するため、世田谷区太子堂出張所の協力を得て、この会を開催しました。さらに各地域団体や学校関係者が互いに顔を合わせ意見交換を行うことで、防犯まちづくりへの新たな気づきが生まれることも期待しました。
日時 | 2012年4月16日(月) 13:30〜15:30 |
場所 | 三茶しゃれなあと5階 区民フロア |
参加者 | 1丁目町会・2丁目大塚町会・太子堂三軒茶屋町会・下の谷町会・本町会・4丁目西山町会・5丁目町会・三軒茶屋町会・太子堂中学校PTA・世田谷区太子堂出張所 子ども安全まちづくりパートナーズ:寺内義典・大戸徹・市川徹・坂本千晴・重根美香 |
聞き取り調査結果の報告
各団体の活動の聞き取り調査の結果を表と地図にまとめ、関係者へ報告を行いました。その後、修正加筆もかねて各代表者より活動の詳しい説明やポイントを解説いただきました。
意見交換から得られた防犯まちづくり活動のヒント
- 参加者の幅を広げる
■子どもパトロールの実施
歩き始めの小さい子どもから参加できるパトロール。若い親の参加が期待できる。
■顔を合わせて誘う
パトロールの参加申し込みを回覧するだけではダメ。顔を合わせて声をかけると参加してくれる。
■役職を付けない
町会役員でないと参加できない、参加したら役員にならなければならない・・・という雰囲気はダメ。自由な雰囲気づくりが大事。
■年寄りが口出ししすぎない
若い人にも任せる。口をだしすぎると、ますます若い人は町会の活動から関心が遠のく。
■参加しやすい時間帯と効果的な時間帯の兼ね合い
防火防犯を目的とした夜回りは女性が参加しにくかった。そこで、日暮れ時に犯行が多いひったくりの防止を目的としたパトロールを企画。女性が参加しやすいよう夕食の支度が始まるギリギリ前に行っている。
- 広い視点で
■パトロールは防犯も防災も交通安全も兼ねて
天候や乾燥状況にあわせて「戸締まり注意」「火の用心」など声かけの種類を変える。また、無灯火運転等にもマイクで声かけすることで違反者が減った実績がある。
■弱者の支援
非常時に備えて、保育園の支援を検討するため園に話を聞きに行くなど、幼児施設や高齢者施設との連携を深める。施設担当者から、弱者の視点にたった危機管理などの有用情報を得られる。
■防犯プレートの効果
自転車カゴ用防犯プレートを付けていると、乗っている本人の自転車のマナーも良くなり、交通安全にもつながる。太子堂小学校の場合、教育委員会が学校経由で希望する保護者に配布している。
- 中学生の担い手としての可能性
■中学生の地域活動への参加の推進
太子堂中学校では、地域活動への参加を推進している。ボランティアとして地域活動に参加することで、地域の大人と中学生が顔見知りの関係になってくる。小中学校の先生も地域活動に顔を出してくれる。
■中学生が参加できるイベントの開催
サバイバルキャンプ(避難所訓練を兼ねたキャンプ活動)や餅つき大会など、中学生が楽しく参加したり手伝うことができるイベントを企画する。
■中学生の意見
地域に見守られていると窮屈か?という質問に対する中学生の回答は「自分がやましいことをしていれば窮屈だろうが、何もしていなければ大人の支援があると安心」。中学生も地域の大人に見守られることで安心して暮らせる。
■中学生と顔見知りに
地域協力という形をとっているので、中学生もある程度は我々(町会役員など)の顔を知っている。だから彼らがたむろしているところに自分が行ったとき「やべえ」と言って逃げたこともある。それだけ彼らも地域を意識しており、続けることによって何らかの効果があると思う。
参考:太子堂地区の紹介
東京都世田谷区にある太子堂地区は、都心に近い住宅密集地域です。木造家屋密集地域のため、かねてから地域住民による防災まちづくりが盛んに行われてきました。また、地区ごとに町会組織とは別にまちづくり協議会を立ち上げ、世田谷区と一緒に地区まちづくり計画を策定するなど、地域住民によるまちづくり活動が盛んな地域です。