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陸前高田市小友町で、「逃げ地図」作成ワークショップ
消防団らが津波からの避難計画づくりを検討

東日本大震災の大津波で甚大な被害が生じた陸前高田市の小友町で、2014年3月15日(土)、津波からの「逃げ地図」作成ワークショップが開かれました。会場になった小友地区コミュニティセンターには、午後2時から地元の消防団員など約30名が集まり、3時間近くかけて4種類の逃げ地図が作成されました。
主催は、小友地区コミュニティ推進協議会と陸前高田市消防団小友分団で、陸前高田まちづくり協働センターが共催し、明治大学震災復興支援センターが後援しました。
子ども安全まちづくりパートナーズは、明治大学山本俊哉研究室・日建設計震災復興ボランティア部とともに開催に協力しました。

災害対策基本法の改正を受けて

陸前高田市は、2013年2月に津波避難計画などを見直した地域防災計画を策定し、「地域ごとの津波避難計画」の策定を県及び市が一体となって支援することを定めるとともに、一次避難場所や二次避難所などを記した市内各地区の津波防災マップを配布しました。一方、国は、2013年6月に災害対策基本法を改正し、地区の実情に応じた緊急避難場所や指定避難所等を定めた「地区防災計画」の策定が可能(2014年4月施行)になりました。
そこで、ワークショップの開会にあたって、代表理事の山本俊哉(明治大学教授)が「逃げ地図から地区防災計画へ」と題して小講演を行いました。続いて、逃げ地図を考案した日建設計震災復興ボランティア部の谷口景一朗氏が、逃げ地図考案の経緯と具体的な逃げ地図作成方法について説明をしました。

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逃げ地図作成の方法を解説する谷口景一朗氏(日建設計)

4班に分かれて逃げ地図を作成

逃げ地図を作成するにあたり、小友地区を東部地区と西部地区に分け、さらにそれぞれ車で避難する班と徒歩で避難する班に分かれ、合計4チームで4種類の逃げ地図を作成しました。
まず、陸前高田市の防災マップを参考に予めベースマップに記した東日本大震災の津波遡上ラインと一次避難場所・二次避難所の位置を確認しました。次に、津波遡上ラインと通行可能な道路との交点を避難目標ポイントとして設定しました。車で避難する班は、車が通行可能な道路、徒歩で避難する班は車の通行は困難な通路や階段等も含めて交点を記しました。そして、その避難目標ポイントからの避難時間を3分ごとに色を変え、避難経路の色塗りを行いました。車での避難も便宜上、徒歩での避難と同じように色分けして最短経路を記しました。
参加者は色塗りをしながら、その道路が避難路としてふさわしいか、一次避難場所が緊急避難場所として適しているかを確認しながら作業が進められました。特に、消防団からの参加者は、震災当時通行規制にあたったことから、避難経路に関する問題点や課題が次々と指摘されました。それらは明治大学の学生達が記録し、付箋で記しました。

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避難経路の色塗りをしながら、避難に係る問題等意見を出し合う参加者

作成した逃げ地図を囲んで話し合い

各班の逃げ地図の作成は、40分ほどで終了し、その後作成した地図を見ながら震災当時の状況を振り返り、今後の避難誘導の方針や課題などについて話し合いが行われました。「消防団が避難誘導していた交差点は、実は一番危険な場所だとわかった」「道路の幅が狭いので、車で逃げると渋滞になった」「足腰の悪い人は車で逃げる、健常者は足しって逃げると区別した方が渋滞にならずに済んで良いかもしれない」など意見が次々と出て、それを学生たちが付箋に書き留めました。

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震災当時を振り返り、問題や課題を指摘する消防団の参加者

逃げ地図作成の意義と地区防災計画策定の課題

午後4時すぎから、各班で逃げ地図作成後40分ほど話し合った成果を発表し合いました。
まず、逃げ地図作成の意義として、「震災から3年が経ち、忘れてしまっていることも多く、避難道路など色々再確認できて大変有意義だった。」「消防団の避難誘導活動の参考になった。」「観光や旅行などでここに訪れた人たちにとっては、この逃げ地図がどこに逃げるべきかの判断材料になる。」といった感想が発表されました。
「小友町はどの場所にいても近くに高台があるため地理的に恵まれている」とし、市が指定した一次避難場所は「全て高台にあるため問題はないが、強いて言えば二次避難所の収容人数については不安が残る。」といった意見が出されました。
課題は、車による避難ルールに集中しました。「足の悪い高齢者の避難をどうするか。車で逃げることが多いですが、渋滞も考えられますので、なるべく避難する方は徒歩で避難してもらうことが最善だと思う。」「やっぱり車で逃げる人たちが多いが、避難を呼びかけている自動車さえ通れない状況になったことから、高台移転で整備される道路はすれ違えるように部分的に拡幅することが重要だ。」といった意見交換がなされました。
避難行動要支援者については、小友町の西部地区では「浸水した区域にはほとんど住んでいないので、今後家を建てるようなことがなければ問題はない。」一方、東部地区では「小規模多機能施設は、浸水区域のそばに立地しており、夜は9時以降担当者が一人になるため夜間の避難支援が課題である。」「アップルロードの嵩上げが完了するまではスクールバスを継続してほしい」という意見がありました。
西部地区の自治会がボランティアの協力を得て設置した「避難せよ」の看板づくりに注目が集まりました。「オレンジ色に塗られているので夜も見えやすいし、矢印で避難方向もわかるようになっており、外部の人たちにとっては避難の助けになる」と評価されました。

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逃げ地図作成を通して話し合われた課題が発表された。

次回の話し合いに向けて

参加者アンケートによれば、参加者のほとんどが「逃げ地図は避難計画のために役立つ」と答え、「避難計画については何らかのルールが必要である」として、参加者全員が「今回のような話し合いがあれば、参加したいと思う」と答えていました。
今回の成果をとりまとめた報告会を開催することとし、午後5時前に終了しました。

報告:熊谷友花(明治大学建築学科4年生)
監修:山本俊哉(子ども安全まちづくりパートナーズ代表理事、明治大学教授)

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